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10・25 vs奈良ムース観戦記

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うれしさも中くらいなり


 秋晴れの天理大白川グラウンド。

 休日出勤等が重なり、リザーブメンバーのほとんどがFW。今季一番の厳しい戦いが予想された。

「(ファーストジャージを)初めて着るメンバー、久々に着るメンバーもいます。レギュラーを奪い取るチャンスです。プライドを持って最高のパフォーマンスを!」(谷主将)

 相手の奈良ムースは昨年度近畿リーグ優勝チーム。FWも前の試合で出た課題を克服しようと試合前の合わせにも力が入っていた。

 キックオフ。早々からFWがラッシュして敵陣に入り込む。

 前半3分、CTB吉本のキックパスを受けた巨漢CTB寺田がゴール隅に相手を弾き返して先制のトライを決める。

 続く6分には奈良県出身のベテランLO大内が相手タッチキックを猛チャージしてそのままインゴールにタッチダウン。点差を広げていく。

奈良も負けてはいない。ラインアウトからやや淡泊気味の六甲DFからモールを押し込みトライ。

16分にもトライを上げ、試合は乱打戦になるかと思われた。

 六甲は、天理高出身のCTB吉本が、ラッキーな場面もあったが立て続けに連続トライを奪い、前半20分を前に4トライ。勝ち点「1」を獲得する。

 だが、その後がいけない。アタックが「いける!」とわかった時点で再三攻め込むもゴール前のプレーが雑になってきた。ゴール前でもFWに固執する場面も多く、外野を少しやきもきさせた。

 前半35分、治療中のFL山田を抜いて7人でもスクラムトライを決めたことから、安全を考慮して、以降のスクラムはノンコンテストとなった。

 ハーフタイム。少し苛立ちを含みながら谷主将が切りだす。

「僕もそうだけどオレがオレが、の部分が多くなっている。もっと組織で動こう。ネガティブ発言はするな。ミスがあったら全員でフォローすること」

 後半に入ってもやや空回りの状態が続く。

ゴール前まで攻め込んでも、球際に鋭さを見せる奈良の防御にスコアを重ねることができない。

 

それでも途中から替った今季初出場のFL松本がトライを決めると、SH谷も切り込んでトライ、モールでもトライと、得点を積み重ねていく。


 この日のSOは前田。「慣れないポジションだけど、積極的に仕掛けていく」の言葉通りに多くのことを試した。前夜のW杯・NZvs南アの黒衣軍の司令塔ダン・カーターに刺激を受けたのか、ゴール前のてんかいでゴロキックを放ちWTBを走らせる場面も目立った。

 最後はベテランFL・村川がねじ込んで合計10トライ、56-19でのノーサイドとなった。

「試合中、ほとんど六甲が攻め込んでるのに、ミスした時に意気消沈して、相手の方が逆に元気になっていた」

「後半途中からだんだんとコミュニケーションの数も少なくなってきた」

「最後に1本余計なトライを取られたことに、もっと悔しがらないと…」


 もちろん戦いを重ねてよくなっている面もある。

「今日は、勝ったことだけが収穫といってもいい試合でした」

と谷主将は自分たちを戒めた。

 近畿リーグ4連勝、すべての試合に4トライ以上を重ね、勝ち点を「20」に伸ばした。

 続く第2試合の芦屋vs文の里の結果は芦屋クラブが勝利したが、勝ち点は「14」となり、六甲ファイティングブルは最終戦を残して近畿リーグの優勝を決め、22年連続22回目の全国大会出場を確実なものにした。

 「まだ最終戦がある。最終戦まであと1か月。これは長いようで短い。そして全国まではあと2カ月しかありません。この時間を有効に使っていきたい」(谷主将)。

 どんなスポーツでもそうだが、強くなっていく過程には様々な葛藤がある。それを乗り越え、積み重ねてチームは上昇していく。

 「勝利の先に楽しさ」を追求するために。

 六甲ファイティングブル。

 今はただ走り抜けるのだ。

 (三宮清純)




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