梅雨のあとさきに
早朝に関西を出発、バスに揺られて約4時間。
やってきたのは愛知県みよし市の東海学園大みよしキャンパス。
真新しい人工芝グラウンドが今年の名古屋クラブとの定期戦の会場だった。
「春シーズンのターゲットの一つ。ここ数戦の立ち上がりの悪さをどれだけ克服できるか。遠慮はいらない。自分たちのパフォーマンスを思い切ってやろう!」(谷主将)
名古屋クラブは昨年度の全国大会初戦で、厳しい試合を強いられた。今季の全国でも当たるこてゃまず間違いはない。北迫コーチもポイントをあげながら「相手に敬意を持ちながら接点で圧倒すること」と、全体にゲキを飛ばした。
キックオフ後数分。
数回のフェイズを重ねながら敵陣でのラインアウトとなった。マイボールをキープしたFWは塊となってインゴールへなだれこみ先制トライ。亀谷のゴールも決まり六甲が7-0とリードする。
名古屋も負けていない。DFラインの上りが早く、また球際への鋭さもみせて、少ないチャンスながら、ゴール前のモールをお返しとばかりにトライを取り返す。
春シーズンとは思えない激しい攻防が続く。六甲は№8志磨の効果的なピック&ゴーで敵陣に深く入り込む。名古屋も伝統のタックル、防御で対抗。降り出した雨にボールがおぼつかない場面があったが、互いに見ごたえのあるファイトを展開した。
前半を終えて19-5。六甲はFW戦で優位に立つが、トライの取り時にノックオンなど、細かいミスが目立った。
「攻めてるんだけど、プレーの選択ミスがあった。反則も多くてリズムをつかめなかった」(谷主将)
特にスクラム。見ている方も、組んでる方もフラストレーションがたまっただろう。最前列のPR・加村は「僕がもっとレフェリーとコミュニケーションを取らなければ…」と反則の多さを反省した。
それでも最後はそのうっぷんを晴らすかのようにラッシュから、ずんぐりした体ごとゴールに飛び込んだ。
33-12でのノーサイド。ややFWにこだわり過ぎた場面もあったか。名古屋も最後は意地を見せて、連続攻撃からトライをもぎ取った。
「(最後にトライは取られたが)全体的にはいいDFができていたと思います。名古屋さんとは毎年秋や全国大会で必ず当たる。メンバーも『絶対に勝つんだ』という強い気持ちが感じられました」(谷主将)
「FWはラインアウト良かったとちゃうかな。試合前に確認したことがキッチリできていた。相手ボールも竹田が常にプレッシャーかけていたのがよかったね」(北迫コーチ)
名古屋クラブ・青木主将は「力の差を感じた場面もありました」と語ったが、素早いBKラインの上りなど、「新グラウンド効果」が随所に感じられた。関東からの新戦力も入ったと聞く。ここにも全国を目指して努力を重ねるライバルがいる。
試合後は恒例のフィットネス。先発メンバー以外が対象となるが、この日は全員参加。さらには名古屋クラブのメンバーも飛び入りして、雨の中を追い込んだ。
ノーサイド後、近くのテラスでアフターファンクション。互いの近況を語り合ったあと
六甲からはFB玉川、名古屋からはFL佐藤がマンオブザマッチにそれぞれ選ばれた。
「個々のパフォーマンスは上がってきています。7月のJR戦(西日本)までにもっとチームとして磨きをかけていきます」(谷主将)。
今年もまた友情の歴史が深く刻まれた一戦だった。(三宮清純)