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【11・19 vsJR西日本観戦記】

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不安から自信へ

 近畿リーグ2年連続全勝優勝から1週間。

 「ここから全国大会までの約2カ月が本当に大事になってきます」(谷主将)

  JR西日本レイラーズのご厚意の下、急きょ、練習試合が組まれることになった。

 

 「近畿リーグと同じようにやっていたら、(ブレイクダウンなど)いっぺんに持っていかれる」

キックオフ前の円陣で各選手とも気合を入れる。メンバーもCTBに福島泰、村尾の若い力を起用。「上手くいかない場面も出てくるが、反応を素早く。全員でデフェンスをしっかりしていこう!」

 

 16時。曇天の中でのキックオフ。序盤から六甲は果敢に攻めるが、レイラーズの分厚いデフェンスが立ちはだかる。ここ数試合、切れのいい角度からゲインを突破していたPR加村もダブルタックルに前進を阻まれる。ターンオーバーからレイラーズも一気に六甲陣内に攻めよってきた。

 六甲陣22メートル内に入ったレイラーズはラインアウトから、モールで執拗に攻めてくる。六甲も必死のデフェンス。この日№8に入った平岡は分厚い攻めに顔を真っ赤にしながら防御を繰り返す。BKも若いCTB陣が奮闘。何度かあったピンチを好タックルで止めていく。

 

前半24分。モールでのこだわりを見せるレイラーズが、最後はBKまでモールに入ってトライ。

「あ~もったいないなあ。JRも攻め疲れしてきてたから、もうひと踏ん張りできたら流れ変わったのに」(北迫コーチ)

 38分には連続攻撃からミスマッチをつかれてトライ。辺りが暗くなりナイター照明が入ったところで0-12でハーフタイムとなった。

 

「(№8)志磨さんやアキモリさん、(CTB)寺田さんのようなペネトレイターがいない中、どんなゲームができるか?」

 試合前に谷主将は語っていたが、「(トップウエスト相手に)よく止めてると思う。後半もしっかり戦いたい」と巻き返しを狙う。

  FWメンバーも時間が経つにつれて、DFやブレイクダウンに手ごたえをつかんだのか、表情にやる気がみなぎる。

 

  後半、少しメンバーを入れ替えてきたレイラーズは再び六甲陣内に攻め込んできた。六甲FWは必死に球に絡み前に出るDF。そして、チャンスがやってきた。

 後半6分、左ワイドに展開するレイラーズからWTB三木がゴールライン直前でインターセプト。相手をかく乱するランで一気にトライまで持ち込んだ。ゴールも決まって7-12と反撃のののろしを上げる。

 「我慢のDFを繰り返したから、生まれたトライやな。これでFWも勢いがつく」(北迫コーチ)

 FWの中でも一番燃えていたのがLO青山だった。近畿リーグ初戦で古傷を痛め、しばらくサポートに徹していたが、この日が復帰試合。ハイパントでの豪快なキャッチなど攻守に渡って奮闘。これまで試合に出られなかった鬱憤を晴らすかのようによく動いていた。

  

 レイラーズも突き放しにかかるトライを奪うが、六甲の闘志は衰えない。経験のないナイターの試合からか、カクテル光線に映し出される六甲戦士たちがいつもより頼もしく見えた。

 唯一、悔やまれるのはラインアウトでのミスからトライを奪われた場面。これで集中の意図が切れかけたが、ラスト20分、六甲はSOに由良を投入して巻き返しをはかる。

 

 9月に文字通り「不惑の司令塔」となった由良。ピンチにもひょううひょうとしたゲームメイクで陣地を次第に挽回していく。ラスト10分を切ったあたりから六甲の時間がやってきた。前半でのお返しとばかりにFWがラッシュ。最後はWTB市橋がポスト付近にトライをねじ込んだ。

 一進一退の攻防を繰り返すが、「スクラムは今シーズン一番よかったんとちゃうか?あれだけコントロールできれば相手も他のプレーに影響してくる」と北迫コーチが評価するように、セットプレーが安定すれば、強敵にも十分自分たちのラグビーを仕掛けていける手ごたえをつかんだ。

 ノーサイド間際に、再び三木がトライ。21-26でのノーサイド。敗れはしたものの、大きな自信と収穫を得た一戦だった。

 「FWのモールDF、バックスの粘り強いタックルよかったです。もっとリアクションを早く仕手ほしいのと、一人ひとりのプレーの精度を上がるのが必要だね。良い素材をみんな持っているのでできるはずや」

 北迫コーチもまずまずの合格点を与えたが、後半ラインアウトからトライを奪われた場面をとらえ、「今後、不用意なプレーは厳禁。一つのミスで流れが一気に変わるので、注意が必要」と課題を付け加えることも忘れなかった。

 

 全国大会まであと2カ月。近畿リーグが終わって、例年チーム力のやや停滞気味となるのだが、この時期に、こうした実力チームとの闘いはチームの財産となり着実に力になっていく。文の里戦では不本意な動きだったメンバーや、久々にピッチに上がったメンバーもチャンスを無駄にしまいと必死のプレーが目立った。

 もっとできる。もっと強くなれる。六甲戦士の挑戦は続く

(三宮清純)

 

 


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