Quantcast
Channel: ROKKO RUGBYFOOTBALL CLUB OFFICIALBLOG
Viewing all articles
Browse latest Browse all 781

【5・14vs芦屋クラブ観戦記】

$
0
0

再び、走り出す

爽やかな五月晴れの芦屋総合公園G。2017年シーズン、六甲ファイテイングブルとして初めての公式戦。

「組織的なことはまだやれてませんが、六甲に負けていい試合なんてありません」

 試合前にそう語ったのは新主将・中村圭佑だ。前任の谷からスキッパーを受け継いだ初戦の円陣。緊張からか?少しカミながらもフォーカスポイントをあげた。

「接点での二人目のサポート。どれだけ早く寄ってレッグドライブができるか」

 今季初戦でもあり、うまくいかないことも出てくる子は予想されたが、中村はまず「基本中の基本」をメンバーに意識づけさせた。

やはり今季もこの男から始まった。副将になったFB三木勇太。

キックオフから53秒だ。ハーフライン中央付近で、止まった状態でボールを受けた三木が快足を一気にトップギアに入れた。するりするりと50メートルを走り抜け先制トライを上げる。

 しかし芦屋クラブもすぐさま反撃。相変わらずターンオーバーからのリアクションが鋭く、小刻みにボールを継続していく。六甲側のハイタックルの反則もあり、6分には同点のトライ・ゴールを上げる。

昨季の全国大会準決勝・タマリバ戦から3カ月ぶりの実戦からか、ややチグハグな面も目立った。SO亀谷は大きく外に振って攻め込もうとするが、なかなかパスがつながらない。だが、LO福島清、№8志磨がしっかり体を当てて前進、六甲のペースを作っていく。

 13分、ゴール中央付近のラックからHO加來がわずかなスペースをついてボールを持ち出しトライ。ゴールも決まって14-7とする。白い手拭いをほうふつさせたヘッドキャップは白から紺に変わったが、今季も十八番「スイカ泥棒」は健在だ。

 その後19分にはFWのラッシュかFL福島勇が飛び込み、30分には巨漢CTB寺田が、右隅にトライを上げ、26-7とリードして前半を終えた。

 まずまずの内容ともいえるが、細かいところに粗さが目立った。特にパスの精度。近場での勢いあるパスやパスの高さが各選手とも不安定で、ミスから一気にゴール前に攻め込まれる場面が何回かあった。

「ミスなくマイボールを継続できれば必ず(相手に)スペースが生まれてきます。ハンドリングの重要性をもう一度認識していかなきゃですね」(中村主将)

 ハーフタイムで修正点を確認して、後半に臨む。風上に回ってより勢いをつけたいところだったが、芦屋の激しいタックルもあり、試合はこう着状態が続く。しかし、後半11分、この日久々にSHに入った和田がやや強引に切り込んでトライ。22分にはラインアウトからモールを押し込んでトライ。40-7と突き放しにかかる。

 この日2人の新人が六甲のジャージに袖を通した。まずはSOの衣川だ。甲南高校出身で、大学時代は関東の強豪・駒場WMMでプレー。6年ぶりに関西に帰ってきた。

 「今日は少し力んでしまって、自分で突っ込む場面も多かったです。1日も早く六甲のラグビーを覚えて、日本一へ少しでも貢献できるよう頑張りたいです」

 チームには中学時代から気心しれた仲間も多く、司令塔争いが楽しみになってきた。

さらにはPRの竹之上。小兵ながらフォローよく走り、いきなりトライも決めた。「あれは良いところ取りだったんで…笑。(個人的には)タックルもミスしたしスクラムもボロボロだったんで、あまり感触は良くなかったです」と早くも次回への雪辱に燃えていた。

後半、入替で入った選手が次々を躍動する。LO平岡は不器用ながらも豪快な突進を見せ、中江、伊藤のFL陣もチームに勢いをつける。

 そして「不惑のファンタジスタ」由良も、先週の「一宮セブンズ」からの疲れも見せずに奮戦。ゴール前まで迫る。

 最後は変わったSH江畑がねじ込んでトライ。後半だけで5トライ5ゴールを挙げて、61-7でのノーサイドとなった。

 

 合計9トライでの快勝だったが、ミスも多かったことも事実。芦屋クラブも主力選手がケガなどでいなかったようで、秋のリーグ戦では全く違ったチームになっているに違いない。

「全体的に粗さが目立ったね。スクラム、ラインアウト、モール、ブレイクダウン。まだまだ練習で精度を上げていく必要がある」(北迫コーチ)

「前半、不用意な反則が多かったですね。数を減らすことは去年からの課題ですので。チームのマストポイントです」(中村主将)

 「Enjoy」をスローガンにした中村主将。キックオフミーティングでは「楽しくなければラグビーじゃない!」とも言い切った。

「僕が新しく主将になったからといって、まっさらのところから始めるんじゃなくて、晋平さんたちが築いてきた3年間の上に、いかに上積みをしてくか。いろんな課題を克服しながらみんなで精進していきたいです」

 勝利の先の楽しさ。5年も遠ざかっている日本一の先にそれはある。

 六甲ファイテイングブル。

 今はただ走り抜けるのだ。

(三宮清純)


Viewing all articles
Browse latest Browse all 781

Trending Articles