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【5・21 名古屋クラブ定期戦観戦記】

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     友情を紡ぐ

抽選で決勝進出を逃した昨季の全国大会準決勝から105日ー。

六甲クラブは再びパロマ瑞穂ラグビー場のピッチに立った。

もう数十年も続く名古屋クラブとの定期戦。最高の環境でプレーできることに感謝しつつ、円陣で中村主将は切り出した。

「先週の(芦屋戦)課題と反省をしっかり修正しましょう。反則を少なく」

少し照れ屋のスキッパーは、はにかみながらも「行くぞ六甲ッ」と声を張り上げた。

 先週の芦屋戦から8人入れ替わったメンバー構成。不安と期待が入り混じった中でのキックオフ。いきなりもたついた六甲は名古屋に自陣深くまで攻め込まれてしまう。名古屋クラブ伝統のタックルと鋭い出足に10分間はゴールを背に厳しい戦いが続く。

 ようやく盛り返した12分、六甲はお返しとばかりに名古屋陣に攻め込み右に展開。最後はFBに入った安部が巧みに相手防御をかわして先制のトライを決めた。

 思えば4年前、実質の六甲デビューを飾ったのがここ瑞穂ラグビー場だった。3年間の関東生活の後、GW明けの練習に「ただいまあッ」とサンダル履きで帰ってきた。この日は最後尾で試合を操り、何度もライン参加を見せトライシーンを演出した。

 続く15分には素早いバックスの展開から副将のWTB三木が切れ込みトライ。ゴールも決まって14-0と六甲がペースをつかみかける。

 だが、どうにもリスタートのキックオフが不安定だ。「(キャッチャー)が少し譲り合う場面もあった」とFWリーダーの青山が反省するように、名古屋の反撃を許してしまう。

 25分、名古屋は前髪の白いラインがトレードマークの元サントリー・宮本賢治の鋭い切り込みからチャンスを広げ、25分にはWTBの畠山が右隅に反撃のトライを上げる。難しい角度からのコンバージョンもFB佐藤がしっかりと決め、六甲に食らいついていく。

 六甲はその後、22分、32分と三木がトライを決めるが、反則も多く、28-7でのハーフタイムだったが、ペースをつかんだとはいいがたい内容だった。

ハーフタイムのロッカールーム。氷で火照った首や患部を冷やしながら修正点を上げていく。

 「ブレイクダウンで雑な場面が多い。」(北迫コーチ)

「やっぱり反則で自分たちを苦しめちゃってますよ」と中村主将も前半7つを数えたペナルティの多さを指摘する。立ち位置などをもう一度確認して後半のキックオフを迎えた。

 後半の立ち上がり。前半とは打って変わり最高のものとなった。キックオフのこぼれ球を巧みに奪取すると右にフェイズを重ねて大きく前進、最後は主将中村自らゴールエリアに回り込んでノーホイッスルトライを決める。

 さらに、ただいま就活中で、久々の試合となったFL上野が大きく前進。一度倒されても素早くボールを手放し、また拾い上げてゴールラインに迫る。

最後は前主将の谷がフォローよくポスト裏にタッチダウンを決めた。

 大役から“解放”されて、一選手としてのシーズンとなりが陽となり陰となってチームを支えていくつもりだ。

 この日のCTBは福島泰とユーティリティの和田が入った。フル出場となった福島泰は「いや、もう今日はボロボロでした」と反省していたが、巨漢寺田と違って身軽な分だけバックスの展開も早く?感じられた。

「参加した選手全員に試合に出てもらう」との言葉通り、38-7としたところで、六甲は次々と新しい選手を投入していく。岡山から神戸の大学に進学した18歳の橘高は線が細いながらも切れ込んで前進する。

 この日のフォーカスポイントの一つがスクラムであった。「スクラムは休む場ではない。8人が仕事をする場だ」と北迫コーチ。後半途中から出場した18歳のプロップ江原も奮闘する。まだ高校を卒業したばかり。色々なことを吸収すれば先が楽しみだ。

若手に触発されてベテラン選手も躍動する。代わってCTBに入った古屋は久々のトライを上げ、山田、小杉らも限られた時間の中で懸命にアピール。

44歳のFL西谷は玄海タンガロアからやってきた。接点の強さとベテランならではの味わい深いプレーが今後も期待される。

 最後は42歳の榎村GMも登場。終盤は互いにトライの取り合いになったが、54-28のスコアで六甲クラブ全員で勝利をもぎ取った。

「スクラムは全体的によかったけど、全国大会などのレベルに比較するともっとまとまる必要がある」(北迫コーチ)

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試合後のファンクションでは互いの健闘をたたえあい、エールの交換を行った。名古屋クラブもレッドウイング、ぎふ清流ラガーズと東海地区の強豪と、全国の座をかけて今年も戦っていく。

 マンオブザマッチには名古屋・猪狩、そして六甲からは、かつて名古屋にも所属したことがあるLO平岡が選ばれた。

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 「次は全国大会で会いましょう!」

 最後のエールの交換で中村主将は失笑もののソソウをおかしたが、今年も伝統のクラブ同士、友情の絆が深まった。

(三宮清純)


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