「これをもちまして2017年度の日本協会主催全ての公式戦が終了いたしました。皆さんまた来年お会いしましょう」。
2月18日、愛知県パロマ瑞穂ラグビー場。決勝戦後のファンクション。優勝した北海道バーバリアンズ、準優勝の六甲ファイティングブルは互いにエールの交換を終えて、日本協会・クラブ部門の三宅さんが2017年度のラグビーシーズン終了を告げた。
激闘を戦い抜いた両チームは握手を交わしながら、慌ただしく荷物をまとめ、北海道へそして神戸へ引きあげていく。翌朝は仕事だ。それぞれが「ごく普通の毎日」に戻っていく。
およそ1か月半にわたる全国のクラブラガーマンの「夢舞台」は終わった。今年も全国700以上あるクラブチームの頂点を目指して、予選を勝ち抜いた13チームが激戦を繰り広げた。
一部を除いて、ほとんどのクラブが練習グラウンドなど持たず活動している。学校のグラウンドを借りたり、大学との試合や合同練習を組んだりするなど知恵を絞って練習環境を構築していく。グラウンド代やボール代、レフリー代、大会参加費などの、支出の主要な部分は、自分たちが支払う部費でまかなっていく。
トップリーグや社会人、大学ラグビーのように注目度も低ければ、練習環境も決して恵まれてはいない。それでも男たちは楕円球に夢中になる。そこに全国大会があるからだ。
激戦を繰り返すことで、全国にはまだまだ強いチームがいることを痛感して、同時に自分たちと同じように強くなりたいと努力するライバルたちがいることを知る。
「正直、学生時代までで、ラグビーはお腹いっぱいかな、と思ってましたが、全国大会に出てみて、(社会人になっても)こんなに熱くなれるんだ!と思いました」
「負けたら終わり、っていうあの胃がキリキリするような緊張感がたまらないんですよ。だからやめられない」
全国大会になると遠征も続く。個人負担も増えるが、応援してくれる企業やサポーター、クラブOBの力は本当に身に染みてありがたいものだ。
「サポート頂きながらラグビーができるのは本当にありがたいことです。『支えてくれる人々の為にも』と思うと力も出ます」
久しぶりの決勝戦に「もっとやれた」という思いと、バーバリアンズに完敗の思いと交錯する六甲ファイティングブル。
「来年こそ日本一に」
「来年こそ先発で」
「来年こそメンバー入りを」
バーバリアンズの胴上げを目に焼き付けながら六甲戦士たちは雪辱を誓った。
誤解を恐れずに言えば、たかがラグビーである。
けれどもその「たかが」のために、情熱を注ぎこむ仲間と自分がいる。支えてくれる人々もいる。
「行くぞ六甲ッ!」
キャプテンの一声のもと、暗いロッカールームから明るいピッチへ飛び出していく瞬間。
この瞬間を味わうために、男たちはまた新たなスタートを切る。
(三宮清純)