戦う姿勢、闘うキモチ
降りしきる雨よりも激しく、男たちは楕円球を追った。
ほんのひと月前、同大の前に99点も奪われ大惨敗を喫した。
それ以来となる学生との勝負。毎日厳しい鍛錬を続ける学生相手にどれだけ自分たちがチャレンジできるか。チームにとっても選手個人にとっても戦う姿勢が問われる試合となった。
キックオフ。雨でボールが滑りやすいコンデションの中、互いにしっかり体を当てた激しい攻防戦が続く。
この試合の先発メンバーに神鋼の若手選手が2人加わった。低く激しく前に出るプレー、迷いのないパスさばき。そして常に喋って情報を共有していくコミュニケーション力。試合で見るのと、一緒にプレーしながら体感していくのとでは全く違う。5分、11分と連続トライで主導権を握った六甲は、常に敵陣で有利に試合を進めていく。
ゴール前の密集戦でも優位に立ち、FL上野やLO福島がトライを重ねていく。BKでもWTB三木が前半だけで3トライを記録するなど大暴れ。前半だけで8トライ7ゴール、54-0と大きくリードしてのハーフタイムとなった。
まるでシャワーのような雨中でのハーフタイム。手短に修正ポイントを確認、メンバーを入れ替えて後半に臨んだ。
和田・拝原の大体大OBも空回りした場面もあったが、後輩たちとの戦いに躍動した。そして47歳になった“カッチカチおじさん”FL西谷も手術明けとは思えない激しい当たりを見せた。
そして長身フランス人WTB・マコーも再三ボールを持って大きくゲイン。トレビアンな走りを見せた。
最終的に点差は開いたが、大体大も最後まで球際に厳しさを見せた。特にターンオーバーからの逆襲するリアクションの速さは素晴らしく、見習わなければならないところもたくさんあった。
もちろんこの結果を自分たちの実力と勘違いしてがいけない。神鋼選手に引っ張られた面も多々あったし、まだまだ課題が多いのも事実。秋の公式戦までまだまだ積み重ねていかなければならないことがたくさんある。
それでも、戦う姿勢、闘うキモチを前面に押し出して戦えたことは、何よりも自信になったはずだ。