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9・17vs東大阪近大クラブ観戦記

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「猛暑日に薄氷の勝利」と言ったところかー。

2023年近畿リーグ、六甲ファイティングブルの開幕戦は、東大阪近大クラブに38対26と厳しいレッスンとなった。

 東大阪トライスタジアム。「花園第3」といった方がなじみも深いだろう。隣接する花園第1、第2Gでは関西大学Aリーグが同時開催されている。「ラガーマンの聖地」でプレーできる喜びと感謝を胸に、選ばれた六甲23戦士は固く円陣を組んだ。

 「ペナルティはゼロで!」「タックルは低く!」

 キックオフが迫り来る緊張感の中、

「3,2,1,六甲!」

岡田主将のかけ声のもと、開幕戦のピッチに臨んだ。


風下からのキックオフ。六甲はすぐさまキンダイ陣に攻め込む。フェイズを重ねトライライン目前まで攻め込むが汗で手元が滑りノックオンなどミスが続く。それでも敵陣で有利に試合を推し進め、前半7分、ラインアウトモールから最後は岡田主将自ら右中間に飛び込みトライ、SO安部のコンバージョンも決まり六甲が7ー0と先制する。

 ところがそのあとがいけない。すぐさまキンダイの逆襲にあい、キンダイFB高城にややあっさりトライ(&ゴール)を許し7ー7振り出しに戻ってしまう。

 『開幕戦はただの一戦にあらずー』

 その言葉を十分理解してキックオフに臨んだ六甲だったが、今年のキンダイクラブは、両CTBにJR西日本レイラ―ズで活躍した神田・酒井を備え、他にも新卒若手OB選手をズラリとそろえ、大差で勝利した昨年とは全く違ったチームになっていた。

「メンバー見たらほとんどの選手が僕と近大時代かぶっていて,皆いい選手ばかり。若返りが進んでいて、これは厳しい試合になるなぁ、と予感はしていました。」(FL安居)

 六甲は敵陣に攻め込むが、要所でキンダイの分厚い防御にあいなかなかリズムに乗れない。猛暑を考慮してのウオーターブレイクで修正点を確認しながら、トライを目指す。


 前半22分過ぎ、ラインアウトからFWがラッシュ。近大出身でもあるFL安居が2人の防御をものともせず左中間に飛び込む。

「相手は知り合いばかりなので(苦笑)、絶対負けられません!」と試合前に語っていた言葉通りのトライで六甲が試合のペースをつかんだかに見えた。


だがー。

 前半27分、中央付近で上げたSO安部が上げたハイパントに、上がって来たWTB江森が空中で競り合った瞬間、相手が着地する前にタックルに入ってしまったー。すぐさま河野レフリーのペナライズが鳴り響くー。「やってしまった-」という表情で江森は両手を合わせて謝罪をしたが、レッドカード退場処分となり、六甲は残り50分を14人で戦うことになった。


これで両者のムードは大きく変わる。早めにスコアをして点差を広げたい六甲と、落ち着いて守れば数的優位でチャンスがやって来るキンダイクラブ。その後何度かあったトライチャンスをものに出来ず、前半終了間際のPKでSO安部がショット成功させ、17ー7でのハーフタイムとなった。


14人対15人での10点差。前半身体をぶつけ合い、昨年とは全く違うキンダイクラブとの感触に、火照った身体と頭をクールダウンさせるように、ハーフタイムの12分間を有効に使ってFW、BKで「コミュニケーションを図る。

 「優位に立っているFWがもっとプレッシャーをかけましょう。起きてしまったことは仕方ない。切り替えてもう一度「0-0」の気持ちから頑張ろう!」(岡田主将)


 後半、SO安部は風上を利用して敵陣でプレーできるようにキックを有効に利用してゲームメイクしていく。



後半4分、FWのラッシュからFB藤井延がゴール前に迫り,最後はWTB三木が右中間にトライ。ゴールも決まって24-7突き放しにかかる。

 しかしキンダイクラブは数的優位からSO河合を中心とした走力あるBKが左右に大きく展開。ワンチャンスでビックゲインを許す場面もあり、2トライを許し、一時は24ー19と5点差まで迫られてしまう。


ここで踏ん張ったのが加村、永田の両PR陣だ。特に永田はぶつかり稽古で苦悶の表情を見せる力士のような顔をしながら、仲間から厳しくも熱いゲキを受け続けながらスクラムを懸命に押した。

六甲残りの2トライはいずれもスクラムから。スクラムの攻防で相手一列の体力を消耗させ,なおかつ敵陣で有利に試合ができたことはフロントローはじめFWの踏ん張りがあったからだろう。


 「人数が少なくても、1人が2人、3人分動けば絶対に負けることはない」と14人が必死に身体を張った。

 キンダイクラブに最後まで追い詰められながらも38ー26。2023年の六甲ファイテイングブルが何とか初戦を突破した。

 「一人少ないとデフェンスってこんなにシンドくなるんですね」(CTB鈴木)

  14人となった焦りから来る不安、ミスが重なり上手く戦えなかった時間が多くなった分、ノーサイドの瞬間はピッチ上の選手、スタッフ全員がホッとした表情を見せた。



 「みんな勝ったんだから、もっといい表情しましょうよ」と岡田主将が雰囲気を和ませるように切り出した。

 「苦しい状況の中で勝ち切れたことは良かったと思います。もっともっとええチームになれると思います」。

 本当にキンダイクラブには大切なことを教えて頂いた。少しでも気を抜けば逆転されかねない厳しい状況の中で勝ち切れたことは今後の自信としていいだろう。

 退場処分となったWTB江森は、「キンダイさんとチームに本当に迷惑をかけてしまった。本当に申し訳ないです」と終始反省顔。河野レフェリーからも「プレー直後に本人からもすぐ謝罪もありましたし、十分反省しているようでした。『まだこれからの選手』と感じました」とフォローを頂いた。



  もちろん自分たちへの戒めも忘れない。

 「試合前の雰囲気、少し緩かったのが気になりました。8月の千里馬戦の時と同じように、イーブンボール、こぼれ球など攻防に積極的にいけてたか?人数が少なくても気持ちの持ち方次第でこの試合も違った結果になっていたのかな、と思います」。

 チームディレクターも務める谷の言葉は、自分たちがもっともっと成長できるからこそ出る重要な言葉だ。

 この日もメンバー以外の選手、スタッフが同じ勝利を目指して

サポートをした。

 「戦国時代」と呼ばれる今季の近畿リーグも全員で戦い、全員で楽しみ、全員で勝利の先の楽しさを追求していく。

 私達のチーム。

 私達の六甲ファイティングブル。

 今はただ、走り抜けるのだー。

 (三宮清純) 

 

 


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