限界ヲ突破セヨ!
酷暑厳しい大体大熊取キャンパス。
最先端の設備を持つ人工芝グラウンドは、キックオフの1時間も前から全面にまんべんなくスプリンクラーが散布され、環境が整備されていた。
「お盆休み前に、こうして学生とできるのは本当に貴重な機会。(暑さに負けず)集中していこう!ッ」(中村主将)
6月に対戦した時は快勝したが、それは神鋼選手が混ざった力も大きく、どこまでが自分たちの実力かまだ分からない。タイダイ側も前回の雪辱を期して必勝を期して臨んでくる。厳しい環境の中でどこまで戦えるか。
ウオーターブレイクの回数を増やすなど十分に給水・熱中症対策をしてのキックオフとなった。
序盤はタイダイに攻め込まれてピンチになるが、相手のミスもあってなんとか盛り返す。7分、左中間スクラムから展開しCTB衣川がクラッシュして前進、相手陣形崩し連続展開。最後はFB安部が回り込み、先制のトライ・ゴールをあげた。12分にも敵陣でFWがテンポよく前進を繰り返し、安部が再びゴールラインを越える。猛暑の中での連続トライで六甲がいい形で流れをつかむ。
ラインアウトは苦戦をしたが、この日は序盤からFWの反応がよく、再三相手SOにチャージをかけるなど敵陣でプレッシャーをかけていく。汗でボールも滑ることもあり体大はミスが続き、六甲は前半20分で3個目のトライをあげる。
この日の六甲の3列はベテランと新鋭が混ざった布陣。FL鎌田は「いつもフィットネスしているのが夜なんで、この暑さの中、どこまで動けるか…」と試合前は不安な表情だったが、持ち味の鋭いリアクションとタックル・フォローでアピール。BKから転向?している三﨑も球際に鋭さを見せる。そして№8には46歳になる西谷が鎮座。自分よりも4半世紀以上年下の後輩に向かってカッチカチの当たりを見せたいた。
前半を終えて33-7。氷や冷たい濡れタオルなどで十分に体をクールダウンさせながら後半に向けての修正をかけていく。
「いいところも多くあるけど、やはり、FWはチャンスで歩いている選手も目立ちます」と中村主将は今一度チームを引き締める。
後半、体大は15人全員を入れ替えてフレッシュ態勢。六甲もこの日参加してメンバー全員を順繰りに入れ替えていく。
後半開始直後に替わったWTB江畑がキックオフのボールから相手防御をかわし大きく前進。敵陣深く斬り込む。最後はLO木曽が巨体をぶちかましてタッチダウン。後半も六甲が流れをつかむかに見えた。
しかし、さすがは毎日の厳しい鍛錬をこなす学生だ。六甲のミスから反撃する。六甲が変わったポジションの弱みを見逃さず連続攻撃。
ややあっさりめにトライを許してしまう。一度流れに乗ると勢いを止めるのが難しくなってくる。六甲は防戦一方の時間が続く。せっかくターンオーバーしたボールをWTB三木が個人技でゴール前まで持っていくが、暑さで足が止まってるメンバーが多くトライにはつながらなかった。
結局、後半は4トライを許し、40-33でのノーサイドとなった。
試合状況を見ていた榎村GM。選手よりも大粒の汗を垂らしながら語った。
「自分で限界を作っている選手と、その中で何とかしようとする選手の差があったよね。本当に厳しい試合状況だったかもしれないけど、それは相手も一緒。どれだけ限界を作らずにチャレンジできるか。リーグ戦までもう少ししかないよ。そこをしっかりと考えてほしい」。
前半の試合内容で少し余裕ができたのかもしれない。暑さで思うように体が反応しなかったこともある。それでも何とか勝てた。収穫や課題もたくさんできた試合だった。
最後になるが、相手チームになるのにも関わらず、大体大ラグビー部の皆さんには、試合前のテーピングやスタッフのご協力を頂いた。特にSAには細かなサポートをしていただきありがとうございました。
猛暑の中の一戦。秋から全国にどう生かすか。
自分たち一人一人の中にある。
(三宮清純)