Forever Young
これだけ人の手を握ったのはいつ以来だろう。
12月1日、六甲クラブ50周年記念式典、再会の時。
伝わる手の温もりが、心をあの頃へ運んでいく。
「めっちゃ久しぶり!」「今どうしてる?」
関西だけでなく、東京をはじめ全国各地から集まった仲間たち。あの人ともこの人とも、話したいことがたくさんあるのに、なんだか胸の奥がキュンとなりながら、互いに照れくさい笑顔で杯を上げていく。
語り合うのは楽しい思い出ばかりじゃない。全国大会でも何度もやられた苦い思い出もビールの泡と一緒に飲み干す。
秩父宮で初めて日本一に輝いたときの主将、今でも当時と変わらずトレーニングを続ける元日本代表。前日もしっかり試合をしてきたというオールドメンバー。一念発起で転職、大好きなラグビーに関わりたいと、トップチームの主務として活躍する者・・・。皆、同じ言葉を口にする。「やっぱり六甲クラブは楽しかった」。
選手だけではない。裏でチームを支えてくれた元マネージャーやトレーナーも駆けつけてくれた。当時はうら若き乙女だった彼女たちも、ベビーカーにかわいい家族を乗せての幸せそうな笑顔に、これまた胸がいっぱいになる。
国籍や職種、世代を超えた多くのメンバーが集まり、「楽しく、強く」六甲のラグビーを紡いできた。50周年というのは勝利ばかりではない。幾多の敗戦から何度も立ち上げってきた挑戦の証でもある。
26回目の全国大会で、現役メンバーは4回、高らかに誇らしく歌い上げる。
歴史をたどるのではない。書き換えるのが私たちの務めだ。