ありがとう、ゴロ―さん
ラグビー日本代表が13日、予選の全日程を終えてイギリスから帰国しました。
「W杯3勝」の結果を残し、「8強ならずも最強の敗者」として、国内で、そして世界でこれまでにない注目度に、我々ラグビーに携わる者たちも驚きと喜びを隠しきれません。
その中でも独特のポーズとルーティンで一躍有名になったのが、FB五郎丸歩選手。
彼は2014年3月21日、神戸市で行われた六甲クラブが主催する「六甲ラグビークリニック」にスペシャルゲストとして参加していただきました。
地元の中高生約200人を対象に行われたこのクリニックで、五郎丸選手はクールな表情ながらも、時には熱く、的確にポイントをアドバイスしてくれました。
クリニック前半の最後、参加者の前で、ハーフラインからの50㍍ゴールキックのデモ。
あのルーティンを参加者はこんな間近で見られていたんですね。チョットした自慢ですね。
キックは残念ながらわずかにそれてしまいましたが、その後、クリニック後半の座学に入るわずかな休憩時間の間に、何度もゴールキックの練習を繰り返していた五郎丸選手がとても印象に残っています。
そして、教室に会場を移しての座学では、今ではすっかり有名になった、早朝5時から始まるエディー日本の合宿のことや、一貫性をもつことの大切さ、準備することの大切さを、エピソードを取り入れながらわかりやすく語ってくれました。
「今日はゴールキックを外してしまいましたが、ワールドカップでは必ず決めます!」
と学生たちに力強く約束してくれた五郎丸選手。その言葉通りに次々とゴールを決めていく五郎丸選手に、子供たちは多くの感動と勇気をもらったに違いありません。あの時間は子供たちだけでなく、当日の参加者全員にとって夢のような時間、宝物になりました。
五郎丸選手だけでなく、31人の桜の勇者達の戦いには本当に胸が奮えました。写真はLOトンプソンルーク選手。少し古い話になりますが、六甲クラブが07年に近鉄ライナーズと練習試合を行った時、07年のW杯が終わった直後にも関わらず、同じSH金選手と一緒にボール係をやってくれました。
ピッチの外では、あの時から既に優しい男でした。
ラグビースクール、高校・大学の先輩・同期・後輩、かつてのチームメイトなど、日本代表選手と関わりを持つ六甲クラブのメンバーも多いです。しかしそれはどのチームも同じでしょう。我々がよく知ってる仲間が日本を背負って戦った。本当に素晴らしいことです。
1995年の第3回ラグビーW杯でNZに17-145で惨敗して以来、日本ラグビーは誇りと自信を失っていました。ラグビーの競技人口も急激に減っていきました。
根強い人気を誇る高校や大学ラグビーも、卒業するとプレーを辞めてしまう選手が多いのも現在の日本ラグビー界の問題のひとつと言われています。
目標のベスト8進出には惜しくも届きませんでしたが、W杯3勝という今回の日本代表の快挙が多くの子供たちに夢と希望を与え、またラグビーを続けてきた、愛してきた人々に誇りと自信を取り戻してくれたことは間違いありません。
衝撃や痛み、恐怖と戦いながら仲間のために戦うラグビーの素晴らしさ。
一人でも多くの人がラグビーを見に来てくれるように
一人でも多くの人が楕円球に触れてくれるように
一人でも多くの人がまたラグビーを始めるように
2019年ワールドカップ日本大会へ
ステージやカテゴリーは違いますが、
クラブラグビーができることはたくさんあると思います。
六甲クラブも様々なことにこれからも全力で取り組んでまいります。